「東有達 個展」が終了いたしました。

ご来場くださった関係者の皆様に感謝申し上げます。

今年のあらきギャラリーでの個展は自分が大好きな「海」をテーマに、水彩画・日本画・油画などを使用し、制作をいたしました。
テーマを決めて、個展をすることは初めてのことでしたので、テーマへの追求や画材の扱いなどで、途中挫折しそうになったこともありましたが、家族や周りの支えもあり、20点仕上げることができました。

個展当日は、多くのお花やお菓子を頂きまして、作品展を開催するたびに、周りの皆様との繋がりを感じます。また来場された方から「海の作品に癒された」「海を描き続けてほしい」という声を頂けて、寝る時間を削って描いた甲斐があったと感じました。

私は普段、子供からシニアまで幅広い世代に絵画を教えていますが、本業は画家でありたいと思っています。小さい頃から抱いた夢は画家になることでした。なので今回の個展は、自分の画家業の方向性を指し示す大事な作品展でした。ではなぜテーマを「海」にしたのか。ギャラリートークで話した内容を一部抜粋してみました。

今回海をテーマに描こうと思ったきっかけは、自分自身何が一番描きたいか、問いた時に「海」というのが浮かんできたからです。それは海が新潟生まれの私にとって馴染みの深いテーマであり好きということ、描いていて高揚感を感じさせてくれるもの、そして完成品を見た時に満足感を感じられるからです。

なぜ好きかというと、海は見る人の心の状態や状況によって、様々な印象を与えるものであり、魅力的な自然であると思うからです。時に心の安らぎを、時に人生への活力を、また逆に不安になるもの、怖いものとして存在することもあります。また、船に乗る人や海で生業とする人たちにとっては生活の一部であり、自然の形であり、中立的な存在にもなります。人の共通認識の中で、海は「美しい」というのはありますが、海はこうだっていう答えは無く、人の心や状態によって、様々な答えになると思います。

今回私は、そのような海を多方面から観察し感じ、様々な画材を使って捉えてみました。
今回描いた海には、それぞれ私の強く感じたことが込められています。しかし、海は皆さんにとって、様々な答えになると思います。私だけのものではありませんので、私の意思は詳しくは、お伝えしないことにします。ただ見方や制作の仕方などは、お伝えしたいと思います。


私は水彩画をメインに描いています。今の私にとっての水彩画は、画材の特性から説明すると、水を使い、短時間で描くことができるものであると思います。つまり、それは対象物に対して、画家の意思が薄れる前に、表現することができます。外での写生や感動したものを瞬時に表現できる魅力的な画材であると思います。また水を使うので、今回の海のテーマにはとても相性が良く、変化する色や形をぼかしや滲みによって、自然なグラデーションで表現ができます。
そして、水彩画は人の記憶の風景を映し出すものであると思います。昔あの時見た、懐かしい記憶や頭の中にぼんやりと残る風景を表すことができるものかと思っています。
それらがわかるのが、海シリーズⅠ〜Ⅳです。これらの海は、妻と4か月の息子と取材しに行った時の海です。それぞれの海は、視覚・聴覚・嗅覚・触覚と四つの感覚で感じ、描いたものです。

日本画や油画については、画材の特性から言うと、重ねながら時間をかけて描くことから、深みや力強さ、重厚感を演出し、その対象物の存在を強く表現できると思います。水彩画とは対照的に、画家の意思は落ち着いていき、作品としての完成度を見ていくこととなります。

と紹介させて頂きました。その他の作品解説等は割愛させて頂きます。

個展風景をご紹介

頂いたお花達、とても美しいです。感謝申し上げます。

水彩画・日本画・油画・木炭を一点ずつご紹介

「潮の香り」-嗅覚- 水彩画
「波打つ」日本画

引いては打ち寄せる波に、自然の優しい音を感じる。

「希望」油画

どんなに深い海でも、光が一筋でもあれば、それが希望となる。

「白」木炭

波の跳ね上がる白は、どの白よりも白く見えた。

次回の伊勢丹展(12月)に向けて、対象物を観察し、さらに良い絵を描けるよう精進してまいりたいと思います。

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